前回のコラムでは、「組版」と「編集」についてご紹介しました。
今回のテーマは、その次の工程となる「校正」。出版物を印刷する前の重要な作業です。
校正とは
文中の誤りを見つけ出し、正す作業が校正です。具体的には、誤字脱字や漢字の間違いなどの表記の修正です。
世の中には数えきれないほどの出版物がありますが、いずれも校正の過程を経て印刷されています。人が書く以上、誤りのない文章は存在しないからです。
最近では、便利な文章校正ツールもありますが、最終的には人の手によるチェックが必要です。
校正の方法
校正刷り、または、校正ゲラと呼ばれる校正用に印刷した原稿を使います。赤字原稿と校正刷を見比べながら、誤りに赤ペンで修正の指示を入れていく方法が一般的です。文字だけでなく、場合によっては、色や体裁などの確認も含まれます。集中力と根気の要る作業です。
校正者が修正の指示を確実に伝えるための校正記号や校正用語が存在し、とても奥が深い分野です。
校正の種類
前述の校正方法が一般的ですが、他にも種類があります。
● 読み合わせ校正
2人1組で行う校正方法です。一方が原稿を読み上げ、もう一方が校正刷りの文字を追って確認します。
● 突き合わせ(全文字)校正
参照元となる原稿を1行毎折りと校正刷りの同じ行を突き合わせて行う校正方法です。一般的な校正方法より誤植発見率がアップします。
「校正」と「校閲」の違い
校正と似た言葉に、校閲があります。同義に使われることもありますが、校正が誤字脱字などの表記の誤りを正す行為であるのに対し、校閲には書かれている内容の事実関係の確認が含まれます。
出版物は人の目に触れる以上、正しい表記と内容でなければなりません。文中に誤りがあっては、出版元や著者の信用を失いかねません。
当社が多く手掛ける法規書などは、特に一字一句間違いのない高い精度が求められます。そのため、制作データの確認作業を行う専門スタッフが校正を行っています。
出版における校正は、とても重要な作業です。経験と技術のあるプロに任せてみてはいかがでしょうか。