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2022.03.01 加工方法(PP加工・ニス引き・箔押し)
商業印刷

書店に並ぶ美しい装丁の本、美術館で手に取るデザイン性の高いフライヤー、カフェで見かけるおしゃれなメニュー表……私たちの周りには印刷物が溢れています。
でもよく見ると、一つひとつの印刷物は、強度や見栄え、手触りなどがすべて違いますよね。これは、それぞれの印刷物に違う「加工」が施されているからです。
 
今回は、そんな印刷物の仕上がりをグレードアップする「加工」についてご紹介していきます。
 

印刷物の「加工」とは?

印刷物の加工には多くの種類があります。
例えば、シンプルな二つ折りパンフレットのように、印刷物に折り目をつける「折り加工」もその一つです。他にも、
 
● 印刷物の一部を切り離して使えるようミシン目を入れる「ミシン目加工」
● 印刷物に穴を開けておきファイリングしやすくする「穴空け加工」
● 印刷物の表面に凹凸を入れて手触りや見栄えを印象的にする「エンボス加工」
● 紙に熱で溶かした蝋(ワックス)を染み込ませる「ロウ引き加工」
 
など、見せたいイメージによって、加工の選択肢は広がっています。
 
この記事では、多様な加工方法の中でも、特にスタンダードな「PP加工」「ニス加工(ニス引き)」「箔押し加工」の3つについて、お伝えしていきます。
 

その1「PP加工」

印刷物にコーティングを施す表面加工の中でも、最もメジャーなのが「PP加工」です。
PPとは「ポリプロピレン」の略で、PP加工とはポリプロピレンのフィルム(薄いビニール)を印刷物の表面に圧着して貼り付ける方法です。
撥水性があり、キズや汚れから印刷物を守るだけでなく、高級感や質感を演出することもできます。
 
PP加工は、大きく2種類に分かれます。いずれも、フィルムを貼ることで印刷面の滑らかさが変わるので、加工前と加工後では発色が異なることに注意しましょう。

[グロスPP]

● 表面につやのあるフィルムを貼る
● ツルツルした手触りで光沢感のある仕上がりになる
● 加工後は色の濃度は濃く、彩度は高く、発色が鮮やかに見える

[マットPP]

● 表面につやのないマット調のフィルムを貼る
● すべすべした質感の仕上がりになる
● 加工後は色の濃度は高く、彩度は少し低く見えるため、落ち着いた印象に
● 指紋がつきにくい
 

グロスPPは耐久性が高いため、教科書や店頭POP、名刺、雑誌の表紙などでよく使われています。
一方、マットPPは光沢感を抑えた品の良さや高級感、シックな雰囲気を出せるため、書籍やショップのカードなどで見つけられるかもしれません。
 
PP加工には、他にもホログラムや和紙などを使う方法もあります。
 

その2「ニス加工(ニス引き)」

「ニス加工(ニス引き)」もPP加工と同様、印刷物にコーティングを施すスタンダードな方法です。
 
ニス加工とは、ニス(樹脂製の液体)を印刷物の表面に塗って透明の膜を作ることで、傷や汚れから印刷物を保護する方法です。PP加工が開発される前から行われていた伝統的な方法ですが、PP加工ほど撥水性や耐久性はありません。
 
PP同様、ニスも「グロスニス」と「マットニス」の2種類があります。光沢感を出したいときはグロスニス、つや消し効果を狙いたいときはマットニスと、仕上がりのイメージに合わせて選択しましょう。
 
また、PP加工と比較したニスのメリットは、主に2つあります。
 

1つ目が、PP加工より「短納期で安価である」ことです。印刷後にフィルムを貼るPP加工と違い、ニスは印刷工程で同時に加工を行えるからです。
 
2つ目が、「部分的な加工が可能である」ことです。PP加工はフィルムを用紙全体にかけますが、ニスなら用紙の一部分のみを塗ることが可能です。例えばロゴや特定の絵柄だけにグロスニスを引けば、その一部分のみに光沢感や立体感を出せます。
ニスの使い方次第で、デザイン性の高いこだわりのものづくりができるのが、ニス加工の魅力といえます。
 
他にも、性質が異なる2種類のニスを使う「擬似エンボス加工」なども人気があります。
 

その3「箔押し加工」

通常の印刷がインキを使用するところ、「箔押し加工」では、印刷に「箔」を使用します。
金・銀・銅などの金属を薄く叩き伸ばした箔を、熱と圧力を用いてプレス機で紙に転写する加工方法で、別名「ホットスタンプ」とも呼ばれます。
 

箔の種類は多く、金・銀・銅を基本に、色箔(赤、青、白、黒など)やホログラム箔、レインボー箔、レイヤー箔など多岐にわたります。
 
箔押し加工を行う最大のメリットは、やはり「プレミアム感やエレガントさの演出」でしょう。
パッと目を引く立体感やメタリックに輝く高級感があり、華やかさを出すのにもってこいの加工方法です。
箔押し加工は高級化粧品のパッケージや書籍の表紙、記念誌などに使われています。商品名や書籍タイトル、会社ロゴなどを効果的に目立たせることができるからです。これは通常のインキの印刷では表現できないものです。
また、紙の裏面を押し上げ表面を盛り上げるエンボス加工などと組み合わせると、さらにインパクトのある仕上がりになるでしょう。

 
逆に、デメリットは、「コストと納期」「剥がれやすさ」といえます。
印刷データの作成に手間がかかり、箔押しのための「型」の作成時間が必要なことなどから、コストが割高で時間がかかります。さらに、小ロットでの使用は難しい場合もあります。
また、用紙や印刷物の形状によっては、繊細な箔が剥がれてくる可能性もあります。他の加工方法との組み合わせ方や、印刷物の実用性、保管方法に注意が必要です。
 

まとめ

今回は、印刷物の仕上がりをグレードアップする「加工」について、スタンダードな「PP加工」「ニス加工(ニス引き)」「箔押し加工」の4つをお伝えしました。
 
一口に加工と言っても、どんな方法を選ぶかによって、印刷物の印象はガラリと変化します。それぞれの特徴を踏まえて、最適な加工方法を探っていきましょう。
 
弊社ではこれまで培った印刷・加工の技術で、どのような印刷物でも、お客様が叶えたいイメージに沿った加工方法をご提案させていただきます。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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