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2021.12.01 中綴じと無線綴じ
商業印刷

印刷物の製本では、主に2種類、「無線綴じ」と「中綴じ」が最もよく知られています。
それぞれどのような綴じ方かがわかると、作りたいものにより適した製本方法で、印刷物を作ることができます。
それでは2種類の綴じ方の特徴やメリット・デメリット、それぞれに適した印刷物の例をお伝えします。

無線綴じ

本文用紙を1枚ずつページ順に重ねていき、背の部分に接着剤(糊)を使用して綴じる製本の方法です。
線(針金や糸など)を使用しないで綴じるため、「無線綴じ」と呼ばれます。

「無線綴じ」は多くのページ数を綴じることができます。また最後に表紙でくるむため、造りが丈夫で、重厚感や高級感などを出せます。
一般書籍や作品集、厚いカタログなどでよく使われています。

ただし、ページ数が少ない場合や多すぎる場合、背に接着剤がつけられず、綴じるのが難しいこともあります。

無線綴じのメリット

  • 多いページ数に対応できる
  • 背表紙があるため棚に並んだときインデックスしやすい
  • 書籍など、中綴じより丈夫で高級感がある印象になる
  • 長期間保存に適している

無線綴じのデメリット

  • ページ数が少ないか多すぎる場合、綴じられないことがある
  • ページ数が多いと印刷物が中面(ノド)までしっかり開きにくい
  • 中綴じより納期が長く価格が高い傾向がある
製本風景

無線綴じの使用例

一般書籍/商品カタログ/卒業文集/アルバム

一般書籍

一般書籍2

写真集(高精細印刷)詳細

「無線綴じ」は、じっくり読んでもらう内容や重厚感を出したい印刷物に適しています。

中綴じ

本文用紙と表紙を重ねたまま二つに折って、背の部分(真ん中の折り目)を針金(ホッチキス)で綴じる製本の方法です。

二つに折った紙を重ねるため、「中綴じ」は4の倍数でページ数が決まります。最小ページ数は8ページから、最大は、針金で綴じられる上限から50ページとなります。例えば16ページの冊子は、4枚の紙を二つに折って綴じます。

「無線綴じ」より比較的短納期でコストも抑えられるため、フリーペーパーや同人誌、パンフレットなどでよく使われています。

ただし、ページ数が増えすぎると、レイアウトにずれが生じたり、背の部分が膨らんだりすることも。また、厚い紙を使用すると背の部分が割れやすくなります。

中綴じのメリット

  • 少ないページ数(8ページ〜)で綴じられる
  • 印刷物が中面(ノド)までしっかり開きやすい
  • 薄い冊子やパンフレットなど、配布や持ち運びに手軽さがある
  • 無線綴じより短納期で安価な傾向がある

中綴じのデメリット

  • ページ数が4の倍数で決まっている(8〜50ページまで)
  • ページ数が多いと折って重ねる紙が増え、ずれが生じたり背の部分が膨らんだりしがち
  • 長期間保存にあまり適さない
  • 厚い紙を使うと背が割れやすくなる
中綴じ

中綴じの使用例

薄い同人誌/フリーペーパー/雑誌

「中綴じ」は、配布用の薄い冊子など、気軽に手にとり持ち運びやすい印刷物に適しています。
 

作りたい印刷物について、ページ数はもちろん、用途や使われるシーン、見せたいイメージなどによって、どんな製本の方法を選ぶかを決めていくことが大切です。

 

それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、弊社ではお客様の作りたいものに最適な製本をご提案しております。
安心して印刷物の制作に取り組んでいただくためにも、ぜひお気軽にご相談ください。

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