弊社では、年間数十冊の書籍を「TeX(テフ)」で製作し、豊富な実績があります。
今回は、美しい数式や論文の記述に欠かせない「TeX」をご紹介します。
TeXとは?
「TeX」とは、「テフ」もしくは「テック」と読みます。コンピュータ科学者・数学者のドナルド・クヌース氏(Donald Ervin Knuth)によって生み出された「組版処理システム」のことです。
1976年、クヌース氏は自著改訂版の際に、当時の写植の技術では自著の中で美しい組版が再現できないことに憤り、絶望しました。そこで、自ら組版処理のシステムの開発を始めたのです。
クヌース氏は徹底的に組版の歴史を調べ上げ、調査結果を取り込んで、最強の組版システムを製作しました。それが「TeX」です。技術と同時に芸術をも意味するギリシア語「τέχνη(テクネ)」が名称の由来です。
TeXは組版指定に使われるマークアップ言語のスタイルで、文章(テキスト)と文章の構造を指定する命令(コントロールシーケンス)が記述されたテキストファイルから、命令を読み込み、文章を組版します。組版結果は、ハードウェアに依存しないDVI(device-independent)形式のファイルに書き出されます。
クヌース氏が製作したTeXをもとに、現在ではたくさんのバージョンが存在しています。
TeXの特徴
それではTeXにはどんな特徴があるか、見ていきましょう。
・組版ができるフリーソフトウェアでソースコードも公開され世界中で普及している
・複雑な数式、化学式、論文のような文書をきれいに出力できる
・Windows、Macintosh、Linuxなど、多くのOS上で利用できる
・TeX のソースファイルはテキスト形式で入力するため、データが長期的に利用可
・参考文献リストの自動作成や式番号、章立て、脚注の挿入などの機能があり、数式の表現も美しい
弊社でも年間数十冊の書籍をTeX(テフ)で製作しており、代表的な書籍に、『岩波 数学辞典 第4版』や『岩波 数学入門辞典』などがあります。
TeXの長所である「美しい数式」や、データを一括処理する「バッチ処理」を最大限に活かして項目ごとに統一を図り、読みやすく整えています。
また、弊社では約25,000字の自社フォント(明朝4書体・ゴシック4書体)という豊富な外字を所有しているため、ほとんどの外字をイメージではなく、文字として処理することが可能です。外字でも高品質に出力でき、ポイントの増減などが必要になった際も、迅速な対処が可能です。
TeXについての詳細は、こちらもぜひご覧ください。
また、数式や化学式が頻出する理数系の書籍、論文を掲載する学術誌なども、ぜひ弊社にお任せください。DTPから印刷、製本まで、お手伝いさせていただきます。